介護保険はどうしてできたのか
日本では昔から3世代、4世代の大家庭が多かったのですが、1980年代から核家族化と少子高齢化が進んだことで、人々の体力の低下、認知症の増加や認知症の高齢者を介護する環境が整っていないことが大きな問題となってきました。
特に介護が必要な家庭では介護をする人に大きな負担があり、肉体的だけでなく精神的にも辛い思いをしている方がいます。
また介護をする人も、される人も高齢者という老々介護の状態も多くなってきています。
そんな状況を改善するために、家族だけに任せるだけでなく、地域や社会全体で介護の状況を支えていこうと2000年4月から介護保険制度が発足しました。
これからの高齢化社会に必要な制度といえますね。
介護保険制度の仕組み
介護保険では40歳以上の人が全員保険料を支払い、それに公費を足した予算を使っています。
さらにサービスを受けた時に1割から3割の自己負担金を支払うことで成り立っているのです。
だからといって、40歳以上の方すべてがサービスを自由に受けられるわけでありません。
介護保険のサービスを利用できる方は、要介護認定の申請をして認定を受けた方だけになります。
65歳以上の方は結構な場合でも対象者されていますが、65歳未満の方は老化が原因で引き起こされたと考えられる病気によって、介護や生活の支援が必要になった方のみが対象となります。
また交通事故などでの障害といった、特定疾病に含まれない原因での要介護者は介護保険のサービスを利用することはできません。
介護保険のサービスとは
サービスとは、介護を受ける人それぞれが、自立した生活ができるように必要な支援や補助のことをいいます。
介護と聞いて思いつくものといえば訪問介護や老人ホームなどへの入居ではないでしょうか。
他にもデイサービスやショートステイなど要介護者の世話を請け負うものが対象です。
介護用具のサービスもあり、車いすや介護ベッドのレンタルも対象です。
それ以外でもバリアフリーにするためのリフォームの工事費用の補助までとさまざまなものがあります。
知っておきたい介護保険外サービス
介護保険が適用されるサービスは、あくまで介護を受ける方や、介護をする家族が最低限の生活をできるように支援するといったものです。
一方で生活の豊かにするための支援のことを介護保険外サービスと呼んでいます。
これは利用者が料金のすべてを負担するものですが、最低限のサービス以上の水準を求めている方も多くいらっしゃると考えられます。
内容としては介護を受ける方の健康状態を見て適した食事を届けてくれるサービスや、動けない方が多い要介護者へのヘアカットやヘアメイクなどがあります。
また要介護者に対してだけでなく、その家族を対象として日々の家事を代行、庭の手入れなど介護には直接関係ないものも存在します。