保険会社のリスク分散とは

契約者に万が一の損害が発生した場合、その損害に対する補償をおこなうのが私たちが契約する一般的な保険です。
しかしその保険金は保険会社が保険料として受け取っているすべてを保有しているわけではありません。
保険会社の企業ですから、その保険料の一部をを運用して利益の確保をしています。

そんななかで大きな工場や旅客機、船舶といった高額な保険の契約者で損害が発生した場合、多額の保険金が必要となります。
多額の保険金を一度に支払うことになれば、保険会社自体の経営が危ぶまれる可能性も出てきますよね。
そこで保険会社は責任の一部か全部を、再保険を契約すること備えているのです。

再保険の仕組みとは

保険会社が行うリスク分散に対しての再保険ですが、簡単な仕組みを解説します。
契約者に損害が発生すると、保険会社が請求された保険金を支払います。

その後、再保険会社がその保険金の支払いについて、再保険契約上で支払い義務があるかどうかを確認したうえで保険会社に支払うという仕組みになっています。
契約者と再保険会社はつながっているように見えますが、それぞれが独立した契約となっているため、たとえ保険会社が再保険料の支払いを延滞していても、契約者に請求することはできません。

再保険ができた歴史

再保険の歴史はとても古く、14世紀には最初の再保険契約が交わされています。
当時は船での輸送が主な手段だったため、海上保険に対しての再保険としてスタートしました。

その後、貿易関係で再保険のシステムが広がって18世紀以降には私たちの加入している火災保険などが生まれ、さらに大きく発展していったのです。
日本には明治に初めて取り入れられ、現在の経済でも拡大を続けています。

再保険会社と保険会社の違いとは

再保険会社はどこの保険会社でも取り扱っているわけではありません。
保険会社の中には再保険を専門に扱う再保険会社が存在しています。

再保険会社は個人を相手にしているのではなく、生命保険会社や損害保険会社の収益リスクに対して補償をおこないます。
たとえば地震や大きな台風などの大規模災害が起きた場合、保険金の支払いが大きなものになることが想定されます。
そんな時に備えて保険会社が加入して備えているのです。

再保険が多く利用される損害保険

損害保険会社は一般的な保険会社よりも保険金の請求が多くなることが多いです。
特に地震保険のような責任準備金が巨額になりそうなものには再保険に加入し、リスク分散させるといった方法をとっていることが多いでしょう。

そして地震保険に関していえば、再保険会社は受け取った保険料の一部を日本政府に支払い、再々保険をかけています。
国難にもなりうる大災害である地震は、最終的に政府が補償することによって成り立っています。